星を詠む人 - 犬丸芝居小屋

词：丸井幸清

曲：丸井幸清

透明な空の下で

老人は約束をした

「大人になったらあげよう

それまでは貸そう」

気が付いた時には遅かった

体中を不安が巡って

胸にぽっかりと空いた穴は

今日も塞げられずいる

頭の中映写機があって

そいつがぼんやり写す

老人と幼子の物語

絵本だっただろうか？

「ふれないでください

あなたにもうつるから」

部屋の隅で震えなから

布マスク手をあてた

「十分だ

私の命もそれほど長くない」

そう言って

老人は震える幼子抱きしめた

星の降らぬこの窓辺から

私は今日も遠ざかって

獅子の心臓の真意は

アンドロメダを飛び越えて

大犬の口へと伝わってたなら

星の降らぬこの窓辺から

私は今日も遠ざかった

眠れない日々はまだ続く

そういや何をしてたのだろう

部屋には埃をかぶった

キャンパスの存在

探せど絵の具は見つからず

頭の中映写機が

写す物語がふとよぎる

続きは思い出せず

探せど絵本は見つからず

「ぼくもそのおおきいえ

かいてみたいです」

森の入口でひとり

遊ぶ幼子駆け寄る

「じゃあこれを貸してやる

好きなように描けば良い」

バレットと筆

受け取り幼子は笑った

星の降らぬこの窓辺から

私は今日も遠ざかって

白鳥は空を舞い

エリダヌスの川の果て

冠に宝石を散りばめられたら

星の降らぬこの窓辺から

私は今日も遠ざかった

いつの間にか眠りをついた

夜更けに誰かドアをノックする

妙な焦りと期待を抱えて

ふれふれとした足取りで

ドアに近づき開けた

「やぶんおそくにすみません」

マスク姿の少女立っていた

「やくそくをはたしにきました

おとなになれなかったので

おかえしします」

「あなたのいうとおり

すきなようにかきました」

「おきにめせばよいのですが」

星の降り注ぐ窓辺へと

私はぐっと近づいた

小魚らは空泳ぎ

乙女の針を潜り抜け

猫の目まで

腕伸ばことができたなら

星の降り注ぐ窓辺から

私は夜空を仰いた

悲しくもないのに

なぜだろう

星の降り注ぐ窓辺へと

私は歩みを進めた

獅子の心臓の真意は

アンドロメダを飛び越えて

大犬の口へ伝わってたなる

星の降り注ぐ

私の頬は悲しくないのに

なぜだろう

涙が止まらない

満天の空の下て

老人は星を読み解く

こいつを眺めでれば

気分も幾分が楽になる